頭痛とコルチゾールの関係

2025年10月09日 09:45

〜ストレスが脳を締めつけるメカニズム〜


「肩こりでもないのに、なぜか頭が重い」「夕方になると頭痛がする」「鎮痛薬を飲んでもスッキリしない」
こう感じている方、実は“ストレスホルモン”が関係しているかもしれません。



🧩コルチゾールとは?

コルチゾールは、副腎(腎臓の上にある小さな臓器)から分泌されるホルモンで、
私たちの身体をストレスから守る「防御ホルモン」として働きます。
• 朝:活動を始めるために分泌がピーク
• 昼:安定してエネルギーを供給
• 夜:分泌が減少してリラックスモードへ

このように、コルチゾールは本来“リズム”を持って分泌されています。
しかし、精神的ストレス・長時間の緊張・過労・不安などが続くと、
このリズムが乱れ、体内のバランスが崩れてしまいます。



⚡コルチゾールが頭痛を起こすメカニズム

ストレスでコルチゾールが過剰になると、
次のような生理反応が連鎖的に起こります。
1. 血管収縮 → 脳血流の低下
 → 脳が酸欠状態になり、締め付けるような頭痛を感じる。
2. 首〜肩の筋緊張
 → コルチゾールは筋肉の緊張を強め、後頭下筋群(頭の付け根)を硬くする。
3. 自律神経の乱れ
 → 交感神経優位が続き、副交感神経が働かなくなる。
 → 夜になってもリラックスできず、頭痛や不眠に。
4. 脳の「痛み抑制システム」が疲弊
 → 扁桃体や視床下部が興奮し、痛み信号を抑えられなくなる。

つまり、コルチゾールはストレスに対抗するホルモンでありながら、過剰に分泌されると頭痛を悪化させるという二面性を持っています。



🌀慢性頭痛の裏にある「脳の防御反応」

コルチゾールの分泌は、脳の「扁桃体」「視床下部」「下垂体」が司ります。
この3つの連携を**HPA軸(視床下部-下垂体-副腎軸)**と呼びます。

長期ストレスが続くと、このHPA軸が常にオンになり、
脳が“危険信号”を出し続けてしまいます。
結果、頭痛だけでなく、めまい・耳鳴り・不眠・動悸など、
自律神経症状も併発しやすくなります。



👐整体的アプローチ:「脳腸骨盤軸」を整える

当院では、頭痛の背景にあるコルチゾールと自律神経の乱れを、
「脳腸骨盤軸」という3つの中心から整えていきます。
• 脳(HPA軸):頭蓋調整で扁桃体・下垂体への圧迫を解除
• 腸:腸内環境を整えることでセロトニン分泌を促し、ストレス耐性を回復
• 骨盤:仙骨・硬膜リズムを整えて自律神経のバランスを正常化

これらを統合的に調整することで、
「頭痛の原因そのもの=ストレス反応の過剰」を落ち着かせていきます。



🌿まとめ:鎮痛剤では届かない“ストレス性頭痛”の本質へ

頭痛を根本的に改善するためには、
「どこが痛いか」ではなく「なぜそこが痛みを感じているのか」を見つけることが重要です。

コルチゾールの過剰分泌は、あなたの脳が“守ろうとしているサイン”でもあります。
そのサインを正しく読み取り、身体全体の軸から整えることで、
薬に頼らない本当の頭痛改善が始まります。



💡次回予告:「キネシオロジー検査で分かる、あなたの頭痛の隠れたストレス因子」

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